時を重ねて、なお美しく——受け継がれるエレガンスのかたち

“お気に入りの服を纏い、ちょっと特別なお出かけを楽しみたい 。” 女性ならば、いくつになってもそんな願いを心に秘めているものかもしれません。“世代を越えて受け継げるものを” というコンセプトが表現する通り、SEVEN TENのコレクションは、30~40代のお客様を中心としながらも、そのお母様世代にも幅広く愛されてきました。
そこで今回は、お母様世代の方々にも、より美しく着ていただけるものを生み出したいとの思いから、ディレクター川人未帆が、自身の母にアドバイスをもらいながらデザインをいたしました。SEVEN TENらしさはそのままに、お母様世代も違和感なく着られる華やかでエレガントなワンピースとなっております。今回のBEHIND SEVEN TENでは、そのデザインや着こなしへのこだわりについて、二人が詳しく語ります。
等身大だけれど、より自信が持てるものを

川人母:
「シニア向けのブランドって高額なものが多いですし、手頃なものとなるとシルエットにメリハリがなかったり、機能性重視のデザインになりがちです。以前から、質が良くてシニアが着てもシルエットが素敵で、かつ求めやすいお洋服があったらなと思っていたんです。今回は、そんな思いを込めてデザインを提案してみました。」

ボディラインや着心地が気になってくる年代だからこそ、無理して着るのではなく、等身大の自分が着られるものが良い。けれど、それを纏うことで、より素敵に見えたり自信が持てる服があったなら——それは誰もが願うことかもしれません。
普遍的で、どこかノスタルジーを感じさせるSEVEN TENのデザインは、母親世代にも好印象である一方で、「自分に似合うかどうか心配」「ボディラインに自信がなくて…」といった声も聞かれます。この世代がコーデの主役にする服については、もう少し工夫の必要性があると感じていたディレクター川人。母娘の想いが一つになって誕生したのが、今回のワンピースだといえるでしょう。
記憶に残る、一着のレースワンピース

川人母:
「旅館の女将をやっていた祖母は、私が子供の頃いつも着物でした。けれど、私たち孫を連れて特別なお出かけをする時だけ、洋服に着替えていたんです。その時に着ていたレースのワンピースがあまりに素敵で、今でもはっきりと思い浮かべることができます。
オープンカラーで、少し光沢のあるレース生地が美しいベージュのワンピースは、子供心にとても印象的で、茶色のワニ革ベルトの時計、同じくワニ革のかっちりしたバッグがとても似合っていました。おそらく既製品ではなくオーダーメイドの一点物だったのではないかと思います。
今回のデザインのインスピレーションとなったのは、この一着のレースワンピース。
その時に感じた祖母の素敵なイメージを、いま同じ年齢を重ねた現代の私たち世代へと届けたい。そんな想いを込めて表現したのです。」

移りゆく年齢の時々で、今の自分を美しく魅せるデザイン
デザインするに当たって、はじめから “こんな人に、こういう風に着て欲しい” という理想像を決めるのではなく、今の自分が着てみたいという気持ちを大切にしたという川人母。その結果、型にはまった着こなしではなく、手にした人の年齢やセンスによって、さまざまな着方ができる一着に仕上がりました。

ディレクター川人:
「母世代がより美しく着られるデザインを大前提としながら、若い世代からシニアまで、その年齢なりの良さを見いだせる素材選びやデザインを工夫しています。どの年齢の方が着ても、その時々の美しさを引き出せる、そんな一着になっています。理想像を決めていないというのも一つで、むしろ作り手側が気付かなかった新たな着こなしを発見してみたいですね。」
合わせるものによって表情を変える多彩なバリエーション
・アイテムによるバリエーション
ストッキングにバックストラップのパンプス、きちんと感のあるバッグなどを合わせると、クラシックさを出すことができるので、ミドル~シニア世代が上品に着ることができます。

細ストラップのフラットパンプスやバレエシューズを合わせると、30~40代が適度にカジュアルダウンして着るのにもピッタリ。
・カラーによって変わるイメージ
ブラックには、パールのネックレスや少しリュクスなクラッチバッグが相性抜群。気品と風格が漂います。

ホワイトは、今っぽい抜け感があって軽やかでありながら、パンプスやカッチリしたバッグを合わせればノーブルな印象も持たせることができます。

着心地へのこだわり
川人母:
「若い頃は、多少着るのが難しかったり着心地が悪くても我慢できたけれど、年齢が進むと億劫になりますし、そういった服からは遠のいてしまうんです。」

ディレクター川人:
「そんな母世代の意見から、着脱のしやすさや着心地にも更にこだわりました。例えば、上から被るのではなく前開きにして、下半身部分はスナップボタンで開け閉めのしやすさに配慮しています。裾も、足さばきを考えて絶妙な丈にしています。」

世代を越えて美しく見せる、黄金比の追求
ディレクター川人:
「今回はいつものSEVEN TENと比べ、襟のサイズと開き、袖丈、着丈について、細かなサイズ設計を変えています。どの世代にもしっくりきて、しかも美しく見せることのできる黄金比を追求しました。襟はほんの少し小さめに、そして、デコルテが上品に見えるよう開き具合を控えめにしています。袖丈は二の腕を見せすぎないよう、けれどバスト位置が低く見えないよう、長すぎず短すぎない絶妙な丈にしています。着丈も、長すぎると年齢を感じさせてしまうため、どの世代にも違和感ない丈感を計算しています
別途、レースではないギンガムチェックの生地にポケットが付き、着丈を長めにした、いつものSEVEN TEN基準のワンピースも販売予定。好みに合わせて選んでいただけます。」
難しかったポイントは
ディレクター川人:
「イメージ通りのワンピースを総レースで再現するのは難しかったですね。レースの繊細さを出しつつ下着ぽくならないような、体の線を拾わない厚み、そしてSEVEN TENの特徴でもあるノスタルジックなハンドメイドらしさ。これを実現するため、ミドルゲージのほどよく透け感があるコットン混の素材を選びました。
また、装いに “きちんと感” を出すため、 襟の部分はレースではなく目の詰まった別布を
使用しています。袖口やフロントの前立て部分の裏側にも、襟と同じ布を裏打ちしています。この工夫により、レース素材でありながら形が安定し、端正で品格のある仕上がりになっています。上半身はレース1枚仕立てで軽やかさを出しつつ、ウエストの切り替えから下のスカート部分には裏地がついています。
自分たち世代に好まれる洋服とはまた違い、母世代の洋服作りには “引き算” の難しさがあります。ベースはシンプルでありながら、SEVEN TEN独自の華やかさとどのように両立させるか、とても勉強になりました。」

作り手の想いを届けるワンピース
川人母:
「やはり、素敵な洋服は自分自身の気分を高めてくれるものです。逆に、年齢を経てお気に入りだった服が似合わなくなったり、着ていく服が決まらないと、なんだか気持ちも沈みがちになります。今回出来上がったワンピースは、いつの時も自分に自信と安心感を与えてくれる、魔法のような一着です。是非、このワンピースを着て幅広い方々がお出かけを楽しんでくだされば幸いです。」

ディレクター川人:
「今回は母にアドバイスをもらいデザインをしましたが、出来上がったワンピースはとてもSEVEN TENらしいと思いました。それは、私が幼いころ母の着せてくれた服にデザインのインスピレーションを受けていたように、母もまた、祖母の着ていた服にイメージの源があったからなのかもしれません。世代を越えて受け継いでいきたい作り手の想い、それを今回のワンピースを通じて感じていただければ嬉しいです。」

おわりに
いつの時も、特別な一日にそっと寄り添い、装うたびに心が華やぐ服があったなら。今回のワンピースは、そんな想いをかたちにした一着です。自分らしい美しさと確かな自信を引き出しながら、時を重ねてもなお価値を深めていく一着として、多くの方に永く愛されることを願っています。
取材・文/藤井麻未
Instagram:@mamfuj
ブログ:元添乗員の国外逃亡旅行記



















