ピーターラビット™×セブンテン コラボコレクション

“世代を越えて受け継ぎたい ピーターラビット™×セブンテン コラボコレクション”

美しいイギリス湖水地方を舞台に繰り広げられる、キュートでノスタルジックな動物たちの世界。ビアトリクス・ポター™作の絵本『ピーターラビット™』は、世代を越えて多くの人々に愛されています。この度、セブンテンではピーターラビット™とのコラボにより、絵本の世界観を表現したコレクションを発表します。ノスタルジックな中に、甘さとちょっぴり遊び心を加えたデザインは、ピーターラビット™を愛する全ての人の心を鷲掴みにすること間違いありません。今回のBEHIND SEVEN TENでは、ブランドディレクター・川人未帆が、コラボ作品のコンセプトからデザインに至るまで細部に渡るこだわりを語ります。


セブンテンのルーツに通じるピーターラビット™の世界

セブンテンのブランドの大きなルーツとなっているのは、幼い頃の思い出と、親から与えてもらった愛情だと川人未帆は語ります。
「絵本の読み聞かせだったり、着せてもらったもの、連れて行ってもらった場所だったり。セブンテンのデザインを考える時は、知らず知らずのうちにこういった幼い頃の思い出や、その時感じた親の愛情を思い出していることが多いですね。好きだった絵本の世界観を表現してみたい、あの時着せてもらった洋服を大人になった今でも着てみたい。あの場所の風景や色彩が素敵だった・・・そう思ってデザインを起こすことが多いんです。」

特に、何度も読み聞かせてもらうほど大好きだった絵本が『ピーターラビット™』だといいます。

「中でも『2ひきのわるいねずみのおはなし』が好きでした。ドールハウスの中で繰り広げられるねずみたちの悪戯。ドールハウスの描写が可愛くて、特に、ちょっぴり遊び心があるところなんかは今のセブンテンのデザインに活かされていると思います。私にとってピーターラビット™というのは、その世界観と共に、愛情を受けて育った子供の頃の記憶と結び付くもの。セブンテンのルーツに通じるものがあるんですね。」


世代を越えて受け継げるものを

もうひとつ、セブンテンを語る上で欠かせないコンセプトが、母、娘、孫と3世代に受け継いでいける洋服づくり。

「私の場合、幼い頃の記憶って、母が何を着ていたかということや祖母が作ってくれた洋服を着ている自分など、洋服の視覚的なイメージと結びついているんです。子供ながら、母の着ている服が素敵だったな、祖母が作ってくれた洋服や手作りの人形服の柄が可愛かったな・・・なんて憶えていて、それがそのまま愛された実感となって今でも残っているんです。」

“リカちゃん人形は祖母の作ってくれたお洋服を着せ替えて遊んでいました”

セブンテンの洋服を手に取ると、その質感やシルエット、色などに、どこか懐かしさを感じずにはいられません。ほっこりしたニットのカーディガン、甘めのシルエットのブラウス、ノスタルジックな柄のワンピース・・・袖を通す度に、子供の頃の甘い記憶が蘇ってくるような、少女の自分に戻ったような、そんな気持ちになるのです。

「素敵な服を着たお母さんのイメージが、いつか温かい記憶になって子供の心に残る。その時の服がセブンテンだったなら、とても嬉しいと思うんです。それならば、子供に孫に受け継いでいきたいと思えるような特別なものにしたい。流行りに左右されず、ノスタルジーを感じられる。けれど子供っぽかったり古すぎたりせず、今の自分を素敵に見せてくれる。常にそのベストバランスを考えて作っています。」

“大きくなったら私も着られる?”

「セブンテンのお客様は30~40代が中心ですが、その母親世代にも着てもらえたり、素敵だなと思ってもらえるデザインを考えています。母と娘で一緒にファッションを楽しむことができたり、その服可愛いね、なんて言える時間を持ってもらえればとっても嬉しいですね。」

ピーターラビット™も、3世代に愛されているストーリー。おそらく、子供の頃に親からピーターラビット™を読んでもらい、そして、今まさに自分の子供に読んであげているという方も多いのではないでしょうか。どの世代からも愛され、受け継いでいきたいと思える普遍的な感性やオシャレさは、ピーターラビット™の世界とセブンテンの洋服に共通するものかもしれません。

こだわりの詰まった ピーターラビット™×セブンテン

今回のコラボでは、ニットカーディガン、プリントシリーズ、スウェットトップなどの他、子供服を加えたアイテムを発表予定。それぞれに、どのようなこだわりが詰まっているのでしょうか。

・ニットカーディガン
「セブンテンのキーワードでもある、”ノスタルジー”をたっぷり感じられるものにしました。高い技術力をもった職人のみが手作業で行う「目刺し刺繡」の技法を使っています。非常に手間のかかる方法ですが、目刺し刺繍にすることで、おばあちゃんの手作りニットみたいな独特の懐かしさ、ノスタルジーを出すことができるんです。ピーターラビット™の表情や形、陰影を刺繍でどのように表現するか、微妙な色の違いなど、何度もやり直して納得のいくものを生み出しました。絵本に出てくるグースベリーをさり気なくビーズであしらったところなど、遊び心も盛り込んでいます。」

・プリントシリーズ
「ピーターラビット™の絵本の舞台である湖水地方。その世界を、色味だったりタッチだったり、セブンテンなりに解釈して描き起こしたデザインをプリントしています。ピーターラビットらしくもあり、セブンテンらしくもある、世界にひとつだけしかない湖水地方のプリントなんです。もちろん、絵本の中に出てくる見覚えのある風景もあります。その中にキャラクターが隠れていて、子供と一緒に彼らを探しながら楽しんでいただきたいですね。」

・スウェットトップス
「子供の頃に気に入って着ていたピーターラビット™のトレーナーがあって、こういうトップスを大人になった今でもまた着てみたい。そんな気持ちで作りました。子供との公園遊びの時などアクティブに着ていただけますが、カジュアルさを抑えた素材と形で、トレーナーだけどエレガントな、セブンテンらしいトップスができあがりました。」

・刺繍バッグ
「ピーターラビット™の絵本って、開くと1ページ目にキャラクターの飾り挿絵が描かれているんです。昔からそのページが好きでうっとりと眺めていました。バッグは、そんな絵本の1ページを切り取ったような遊び心のあるデザインに。中央に描かれたセブンテンのロゴと、ピーターラビットのブリティッシュな世界観のイメージもピッタリ合っていて気に入っています。」

・ショートコート
「ピーターラビット™がいつも着ているブルーのジャケットをイメージしたコートです。ピーターラビット™がいたずら好きの野ウサギなのに、どことなく品を纏っているのは、あのブルーのジャケットのお陰だと思うんです。ノーブルなブルーの雰囲気がピーターを知的に見せている。ピーターがお母さんにジャケットのボタンを閉めてもらっているシーンが私は好きで、そこから感じる温もりなんかも表現したくて、素材は毛足の長いウールシャギーにしました。形や金ボタンはセブンテンらしくモード感を入れて、クラシックに寄り過ぎないようにしています。」

・子供服
「これまでセブンテンでは子供服を作っていませんでしたが、今回のコラボでは、ぜひ子供と一緒に着てもらいたいとの思いがありました。世代を越えて愛される普遍的な価値観が、セブンテンとピーターラビット™に共通するものだと思うからです。ぜひ、親子で今回のコレクションを楽しんでいただきたいですね。」

おわりに

目にした瞬間、思わず顔がほころぶ可愛らしさ。遠い昔に味わった、幼い頃の甘い記憶。セブンテンとピーターラビット™の世界には、そんな要素が詰まっています。流行ばかりのデザインや、子供受けに特化したキャラクターというのではなく、どの世代からも愛される普遍的な可愛さやお洒落さ、そして洗練された感性。これらにちょっぴり懐かしさが加わったとき、世代を越えて伝えていきたいと思えるものが生まれるのかもしれません。今回のコラボでは、そんな2者の魅力をたっぷり活かしたコレクションが誕生しました。これらのアイテムに身を包み、3世代それぞれがファッションを楽しんで欲しい。そしていつかまた、愛おしい記憶となってその先に受け継がれていくことを願うのです。


取材・文/藤井麻未

記事一覧