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“君島十和子さんとのSpecial Talk -PART3-”

セブンテンの服を着てくださったことをきっかけに始まった、君島十和子さんとの交流。その後、十和子さんからのオーダーで、セブンテンがデザイン監修した企画も現在進行中!素敵なご縁が重なり、十和子さんと関わるにつれ、その丁寧で謙虚、かつ前向きな人柄に、一人の女性として、母として、いろんなことをもっとお聞きしたい! と思うように。ディレクター、川人未帆のそんな熱い思いから今回の対談が実現、飾らない言葉でざっくばらんに語られた内容をたっぷりお届けします。

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働きながらの子育て、完璧じゃなくても
子どもはちゃんとママの頑張りを見てくれてる

未帆 怒っているところが想像できないですが、 十和子さんって、怒ってましたか?(笑)

十和子 怒ってました!もう、鬼軍曹!(笑)特に長女は自分と性格が似ているから余計にピリッと、逆に次女はまったく読めずにこちらの出方が難しかった気がします。同じ女の子でも二人とも全然タイプが違ってて。社会に出れば出るほど、親子でいろんな経験をして、いろんな方から学ばせてもらうことばかりでした。ママ友=怖い?!というイメージが先行しがちだけど、子どもが同じ年齢というだけでできる絆もあるし、いろんな世界の人との繋がりが人を豊かにしてくれるなって、子育てを振り返って今思います。仕事と子育ての両立は大変だけど、どっちかだけだともったいない! 大変だけど感性や人生の幅を広げる経験など、仕事と子育てそれぞれ大変な分、それぞれに得るものが本当にたくさんあるなって。

未帆 家庭と子育て、それから仕事、自分なりの完璧な両立を目指したいって思うけどやっぱりなかなかできなくて。自分が母にしてもらったみたいに、娘にできてないことに申し訳なさを感じるんですよね。娘が社会に出る頃には、女性が働くことが今よりもっと当たり前になっていると思うし、そこに罪悪感はあってほしくない。私が今、自分で仕事のボリュームや会社の規模を決め、子育てと仕事の比重を子どもの成長段階で変えられる環境があるから、将来娘にも自分で選択できる基盤を作れるように導いてあげられたらなと思います。

十和子 未帆さんの完璧の到達ラインが世間のレベルからしたら、雲の上かも?(笑)結局は自分がジャッジすしてるところだから、「ここまでしたかったけどできなかった!」っていうのは素直に娘さんに伝えていいと思う。小学生の頃はまだまだお母さんの占める割合が多いけれど、中学、高校、大学とかになってくるとそれ以外の社会でいろんな人や価値観を見ていく。そうした中で、はっと自分のお母さんのことを改めて見る時期が来ますから。その時に、「ママって頑張ってたんだ」って思ってくれたらいいかなって。そんな褒められたものでもなくて、私は反面教師でもいいかなって思っています。

未帆 そう言っていただけると、心がふっと軽くなります。十和子さんってバランスの取り方がすごく上手。力を抜くとこは抜いてっていう。女性としても、母としても本当に見習うことだらけです。

十和子 そう思えるのも、この年齢になってからですよ。お嬢さんも育っていく中で母をちゃんと見てるはずだから。私も数多くの失敗と痛い思いをしてここに来たけれど、それが正解だったかっていうとそれはわからないし…、恐れて踏み出さない方がもったいないっていうその一言に尽きますね。

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仕事と家庭の両立って永遠のテーマ
だからこそ、「大変だったよ」って素直に伝えたい

未帆 私はわりと物事を客観的に見るタイプで、自分のことも60、70歳くらいの自分がいつも上から見ている感覚で過ごしてきたんです(笑)

十和子 すごい!(笑)

未帆 今の自分も実際いろんなことで悩むんだけど、60くらいの自分が「まあ、30代ってそんなもんだよ」みたいな(笑)それで十和子さんを見ていると、「きっと頑張ってれば、あんなところに到達できるから、今は多少悩んでも大丈夫」って思わせてもらえる、エールをいただけるんです。

十和子 これまで何冊か本を出させてもらいましたが、「苦労したんだよ、みんな完璧じゃなくて、すごい大変な思いをしてるんだよ」っていうことを発信させてもらったことに価値があるんじゃないかなって思っていて。それは、私が美容の話を始めたこととリンクしてるんです。この仕事を始めた当時、女優の先輩たちはみんな美容に関して、口を揃えて「なんにもしてません」、「お水をたくさん飲んでるだけ」って言っていたけど、机いっぱいにお化粧品を並べてメイクにすごく時間をかけているのも見ていたし、私自身、美容の部分でコンプレックスを持って苦労した時代があったから。

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未帆 十和子さんにもコンプレックスがあったんですか??

十和子 真っ黒に日焼けをして、肌が回復するまでに3年くらいかかってしまって、本来何もしなくても美しい肌でいられるはずの20代前半が暗黒時代だったんです。それを隠すために一生懸命厚塗りをして…、だから他の人にはそんな思いをしてほしくない! っていう気持ちから美容の話をするように。そういう人が周りにいなかったんです、その時代は。

未帆 本当に先駆けですよね。

十和子 それと同じですよね、子どもを持って、仕事をすることの大変さをありのままに発信することも。私よりずっと先輩の女性たちが、仕事に自分の矜持を持ってひたむきだった頃は「大変」って言う場もなかったし、聞かれることもなかった。プライドもあって言えないところもあっただろうけれど、私は「やっぱり大変だったよ。でも、このちょっと大変くらいがちょうどいいんだよ」っていうのを言わせてもらえた。だからこれからも、私はそこをちゃんと言っていこうって思いました。

未帆 十和子さんの言葉に嘘がないって感じるのは、そういったご自分の経験を素直に伝えてくれるところが大きいと思います。

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十和子 仕事と家庭の両立って永遠のテーマで、これが簡単でうまくいっているって人はキラキラな見せ方が上手なだけじゃないかなって。

未帆 私もキラキラして見えてるんだろうなって思うところがあって。でもそんなことない自分を知ってるからこそ、他の人がキラキラしてても「あの人もいろんなことがあるんだな」って冷静に思っちゃったり(笑)

結婚について、唯一母に言われたこと
それは、「自分に自信が持てる人がいいよ」

未帆 すごく直球ですけど…、娘さんたちにとって十和子さんって、どんなお母さんですか?

十和子 もうね、劇的ビフォーアフターの繰り返し(笑)「きれいなお母さんでいいね」って言っていただくことがあっても、「そうじゃない時知ってるし」って心の中では思っていて、でも「『ありがとうございます』って言ってる」って娘が言ってました!(笑)

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未帆 いつでも絶対に素敵だと思うけど、そうじゃない時ってどんな時ですか?(笑)

十和子 朝起きてお弁当作ってる時とか…。ただ、自分の経験上、自分がその年代のときに気づいたらよかったなって思ったことはうるさいって言われても、なるべく言葉で伝えるようにしています。

未帆 例えばどんなことですか?

十和子 友だちづきあい、プライベートと仕事の兼ね合い、男性を見る目…、本当に些細なことから人生において大事なことまでいろいろ。「そこに座って聞きなさい」っていうようなことはないけれど、普段の生活の中で折に触れて伝えるようにはしています。

未帆 男性を見る目!大事ですね(笑)どんな人と結婚してほしいと思いますか…?

十和子 「本人たちが本人たちらしく生きていける、人生を共に歩める人と巡り合いますように…!」って思っています。

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未帆 誰といるかで人って本当に変わりますよね。生活も変わるし、性格も変わるし。私も娘には、自分らしくいられる、さらにその自分らしさをよく伸ばしてくれる人と一緒にいてほしいって思います。

十和子 でも、娘はまだ気づかないですよね(笑)そんな人いないよっていう理想の高い人を言ってたりする(笑)

未帆 私も20歳の頃なんて全然わかってなかったです(笑)ただ、まったく細かいことを言わない母が結婚について唯一言ってくれたことが、「自分に自信が持てる人と一緒にいた方がいいよ。」ってこと。母から結婚に対して言われたことってそれだけだからすごく心に響いたことを覚えてます。それで主人との結婚を考えるとき、また60代の私がまたやってきて(笑)主人は揺るぎない軸がある人で、人生浮き沈みがあってもこの人と一緒にいたら、私は自信を持っていられるって。あと、両親のおかげで仲良く育った兄弟関係がこの人とならずっと続いているところがちゃんと想像できたから、結婚を決めました。

十和子 お母様の言葉、指針として素晴らしいですね。そしてそれを未帆さんがちゃんと咀嚼して自分の視点として活かせているのがすごい!

未帆 物事の判断基準って育った環境だなってつくづく思います。自分で何かを決める時の基準ってあんまり考えたことないんですけど、うちの父も母も人に対して正しい人で、人の悪口は絶対言わないし、当然にものすごく優しい。そんな両親を見てきて、私も人を傷つけることはしたくないとか、これだとみんな喜んでくれて楽しいなっていうのが判断基準になってます。子育てでも仕事でも、大事なことは全部、両親に育ててもらった「心」が決めている気がします。

十和子 今回、FTCのある企画でセブンテンさんにデザインしてもらいましたが、未帆さんのこだわり、細かいディレクション、判断、センス、審美眼に改めて驚きました! のびのびと、自分の感性を信じて邁進できるのは、ご両親の子育て、家庭環境によるものなんですね。

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君島十和子さん プロフィール
Instagram: @ftcbeauty.official
FTCクリエイティブディレクター

高校在学中に「’85m年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。 1986年『JJ』のカバーガールを務め、同誌専属モデルに。その後、舞台やテレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェトワココスメ)」を立ち上げ、製品開発に携わる。
二人の娘の母。
美容家としてメディア、SNS等で精力的に活動している。

取材・文/北山えいみ